産地と亜種

上記の記事で大きさ、寿命、飼育温度を最低限調べてほしいと書きました。そうするとそういう情報に合わせて産地や亜種という言葉が記載されていることが多いと思います。

この産地と亜種というのはとても重要で密接に関係しています。

クワガタやカブトムシに限らず人間も含めて生物はその土地に合わせてパッと見でも見た目が変わったり、良く見なければ違いが分からなかったり、見た目は同じに見えても遺伝子レベルで違ったりします。

元々は学術研究の標本から始まったクワガタやカブトムシを飼育する文化ではそういった見た目の違いや遺伝子レベルでの違いを非常に大切にします。要するに種類や産地での特徴を重要視するのです。

そういうことを踏まえて産地と亜種の関係を見てみましょう。

こちらの個体を見てください

和名ではインペリアリスオオヒラタ

学名では Dorcus titanis imperialis

と言います。ちなみに日本国内では和名で通じますが海外の方には学名でないと通じません。

産地は ボアク島(マリンドッケ島)の Canat という場所です

ざっくり学名の説明をしておきますと

Dorcus・・・読みはドルクス、オオクワガタやヒラタクワガタ、コクワガタの仲間

titanis ・・・読みはティタヌス、種類を表す部分で今回はオオヒラタという種類

imperialis ・・・読みはインペリアリス、亜種を表す部分で今回はオオヒラタの中でもインペリアリスという亜種

こんな感じです

次にこの個体を見てください

見た目はアゴの形が大きく違いますがこれもインペリアリスオオヒラタです

ただし、産地はルソン島 イフガオ州です

同じ種類、亜種でも生息している場所が違えば見た目がここまで違います。

更にこちらを見てください

上記のインペリアリスオオヒラタと見た目はかなり似ていますが実はオオヒラタの中でも別の亜種でこちらの個体は

和名はスラウェシオオヒラタ

学名はDorcus titanus typhon

と言います。

産地はスラウェシ島です

学名の読みは

Dorcus ・・・ドルクス

titanus ・・・ティタヌス

typhon・・・タイフン

です。

こちらのケースでは種類は同じで見た目でも似ていますが、生息している場所が違い、また亜種も違います。

また、オオヒラタで良く見られるパターンですが同じ島でもある場所では最大内歯が先端より、ある場所では根元より、そしてある場所では中間や先端より根元よりが入り混じるなんてこともあります。そういったのがその産地の特徴であり地域差であり種としての特徴なのです。

こういった特徴を守るのが大切なのです。ですのでしっかりと産地を把握して違う種類や亜種を掛け合わせる交雑種を生み出すのは絶対にやめましょう

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