フタマタ系の飼育

オオクワ系やヒラタ系のような身体のゴツさはないものの、アゴの迫力は一切負けてないのがフタマタクワガタで非常に人気があります

マンディブラリスフタマタ

パリーフタマタ(セアカフタマタ)

ボーリンフタマタ(亜種バミノルム)

サヌチフタマタ

この他にも人気種のフォルスター・キヨタミやフォルスター・ニシ、ダビソンなど様々な種類や亜種が東南アジアに生息しています。ちなみに日本には生息していません。

フタマタ種のことを調べていると「キルヒナーフタマタ」とよばれる種類にいきつく事があります。キルヒナーは実は独立した種類ではなく、マンディブラリスとパリーの交雑個体です。これは飼育下で造られた交雑種ではなく自然化で自然発生した交雑種になります。普通は同種の♀かどうかは♂が匂いで識別しているはずなのですが、マンディブラリスとパリーに関してはどうやら完全には識別できないようで、野外品を購入して持ち腹で産卵させたら交雑種であるキルヒナーが羽化してきた、という話は決して珍しい話ではないです。

なので、マンディブラリスとパリーの♀はプロショップであっても完全に同定しきる事はほとんど不可能で、販売の際の注意書きに「本種はマンディブラリス♀として入荷していますが、パリー♀の可能性もあります」と書かれていることも多いです。

入手方法はマンディブラリスやパリーに関してはスマトラ島産の野外品が比較的安価で多く流通しています。同じマンディブラリスやパリーのボルネオ島産の個体はほぼ野外品の入荷がなくブリード品も他の種類に比べて流通がないです。フォルスターやボーリンなどの種類は秋ごろに野外品の入荷があります。

産卵方法としては材産み種ですので

このように材を転がすだけで産卵します。ただし、材にカビが生えると産卵する確率が極端に下がりますので、材の加水のしすぎには注意です。また、フタマタ系は材の選り好みが激しく気に入った材にしか産まない、なんてことは珍しい事ではないので大きめのケースに複数の材を入れた方が産卵する確率が上がります。ちなみに使用する材は柔らかい材を使うといいでしょう。

フタマタ系の産卵痕は見慣れないと分かりにくい事があります。というのもフタマタ系は削るだけでなく、削って産卵した後に埋め戻しをします

パッと見は産んでいるようには見えませんが、少し拡大してみると

少し不自然に木の繊維が盛り上がっています。それをめくると

卵があります。慣れないうちは見にくいとは思いますが慣れてくれば分かるようになります。

飼育方法としてはマットでも菌糸でも飼育できますが、菌糸で飼育する方が多いと思います。ただし、オオクワ系やヒラタ系に比べて3令になるまでは幼虫の食が細く成長スピードが遅いです。ですので3令になるまではマットで飼育してから菌糸に投入したほうがより安全だと思います。

羽化ズレに関しては菌糸で飼育していると♀が♂の半分程度の期間で羽化したりとどうしても羽化ズレが発生する傾向があります。オオクワ系やヒラタ系に比べて寿命が短いですので時には累代には致命的な羽化ズレになる時があります。なので♀はマットで飼育して、♂は菌糸の中でもサイズはそこまで出ませんが、早く羽化する傾向があるカワラ菌糸で飼育するといいと思います。

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