最大のタブー

これまでの記事で種類や亜種の特徴を損なう交雑はダメ、という事は随所に記述してきましたが、それよりもクワガタやカブトムシを飼育する上で最もやってはいけない事を記述していきたいと思います。

それは飼育している虫を野外に逃がしてしまう「放虫」です

なぜダメなのか、ですが皆さんは「外来種」というのをご存知ですか?

外来種、と言われると外国の生き物が国内で繁殖してしまう事、代表格ではブラックバスやアライグマなんかが思い浮かぶと思います。

しかしこの解釈は正確ではありません。外来種とは簡単に言えば「その土地にいなかった生物・植物が人為的かもしくは他の要因で繁殖してしまう」事であって、外国産に限らず国内の生き物であっても外来種になってしまいます。

意外かもしれませんが現在、北海道に生息しているカブトムシは1970年ごろに人為的に持ち込まれた個体が脱走や放虫によって野外に放たれそれが野生化したもので、北海道の行政機関からも国内外来種として認定されています。

一旦、定着してしまうと完全に駆除してしまうことはほぼ不可能です。

上記の記事で大きさ、寿命、飼育温度を最低限調べてほしいと書きました。そうするとそういう情報に合わせて産地や亜種という言葉が記載されているこ...

上記の記事でも「見た目は変わらなくても遺伝子レベルでは違いがある」と書いたようにこれはたとえ同じ県内でも場所が違えば遺伝子レベルで違いがあると思った方が良いです。

よく聞く話では子供がいる家庭で夏休みが始める頃にカブトムシやクワガタを買い飼育し、夏休みが終わるころに「もう夏が終わるから逃がしなさい」と言われて野外に逃がす、なんて事を聞きます。

絶対に止めてください

先ほど言ったように国産種であっても遺伝子レベルで違いがありますし、一度でも人の手で飼われた個体は餌をめぐって争う能力が著しく落ちます。もう自然界で生き延びるのは無理です。

なによりそれは遺伝子レベルで環境

を破壊しています

もし、虫だから良いじゃん、などと思っている貴方。もしそれが貴方が飼っているのが猫や犬だったら夏が終わるからって逃がしますか?

絶対に逃がしませんよね?仮に貴方の知り合いで「夏が終わるから飼ってる犬(猫)逃がしてやった」なんて言う人がいたら軽蔑しますよね。

もし飼ってる虫を逃がそう考えている貴方、それは貴方に懐いている犬や猫を逃がしているのと何も変わりません。

そして遺伝子レベルで環境を破壊し、自然界で生き抜けない生物を野外に放つ貴方の一見、優しさに見える行為は

間違った優しさです

本当の優しさは

死ぬ最期の時までしっかり

飼育してあげることです

しっかり飼育してあげることで自然界で生きるより長生きできることも多いです。我々人間も長生きしたようにクワガタやカブトムシも長生きしたいのです

残念ながら近年は公園で飼育されていたと思われる外国産のクワガタが見つかる、なんて話を耳にするようになりました。

以前に比べてインターネットの発達で簡単に買えるようになっているせいかもしれませんが、この記事の初めで書いたように外国産のクワガタやカブトムシは本来は日本にいない生物です。もし繁殖して特定外来種に認定されてしまうと趣味として飼育できなくなってしまいます

そして

昆虫を販売しているショップの方が

生活できなくなってしまいます

更には現地でクワガタやカブトムシ

を捕まえて日本に輸出して生計を立

てている現地の人が生活できなくな

ります

自分ひとりの身勝手で他人の生活を奪ってしまう、なんて事にならないように死ぬ最期の時まで責任をもって飼育しましょう。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク